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登記簿とは何?不動産登記について〜宅建独学メモ〜

今回は、宅建で勉強必須の不動産登記についてまとめました。登記簿とは何?というところから、登記記録の読み方、登記の申請手続き方法についても紹介します。

そもそも登記とは何?

登記(とうき)とは、土地や建物の所在、面積、所有者の住所・氏名などの一定の事項を登記簿という公の帳簿に記載することを言います。これを一般に公開することで、いろんな権利関係などの状況が分かるようになり、取引を円滑に行うことができるようになるのです。

登記の種類とは?

不動産に関する登記の種類としては、建物表題登記、所有権保存登記、所有権移転登記、抵当権設定登記・抵当権抹消登記の4種類があります。

宅建では細かく問われることはないため、ここではスキップします。

登記記録とは?

登記記録とは、一筆の土地または1個の建物ごとに作成される電磁的記録で、登記記録は表題部と権利部に区別されています。また、権利部はさらに甲区と乙区に区別されています。

登記記録の表題部に記載されていること

ここでは、表題部の内容に関するポイントをいくつか紹介します。登記記録の表題部には、表示に関することが登記されています

  1. 土地なら、所在・地目・地積等を記載
  2. 建物なら、所在・種類・構造等を記載
  3. 表題部は登記申請義務がある(新しく家を建てた場合必ず表題登記をする必要あり)
  4. 表題部に登記しても、第三者に対する対抗力はない

→④のような状況を避けるために、権利部の登記をする必要があるのです!

登記記録の権利部に記載されていること

ここでは、権利部の内容に関するポイントをいくつか紹介します。登記記録の権利部には、権利に関することが登記されています

  1. 甲区には、所有権に関する事項を記載
  2. 乙区には、所有権以外の権利に関する事項を記載(抵当権など)
  3. 権利部は登記申請義務がない
  4. 権利部に登記すると、第三者に対する対抗力がある

登記記録のその他のポイント

建物を建てたり滅失した場合には、1ヵ月以内に表題登記または滅失登記の申請をする必要があります。
→地目や地積、建物の種類や構造等に変更があったときも、1ヵ月以内に変更登記の申請が必要です。

滅失登記を怠った場合のデメリット

滅失登記を怠った場合に想定されるデメリットは以下の通りです。

  1. 10万円以下の罰金がかかる(不動産登記法第164条)
  2. 毎年の固定資産税を払うことになる
  3. 新たな建物を建てることができない
  4. 土地を売却することができない

※表題登記に関しても、1ヵ月以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になると規定されています。

登記の申請手続き

登記は、原則的に当事者の申請によって行うのが基本ですが、表示に関する登記については、登記官が職権で行うことも可能です。登記官とは、登記に関する事務を処理する権限を持っている法務局に勤務する法務事務官のことを指します。

登記によって直接利益を受ける人を登記権利者(登記の名義を受ける人)、登記によって直接不利益を受ける人を登記義務者(登記の名義を失う人)と言います。
権利に関する登記は、原則として登記権利者と登記義務者が共同して申請しなければいけませんが、一定の場合には登記権利者等が単独で行うことも可能です。

登記権利者等が単独で申請できる登記

  1. 所有権の保存登記
  2. 登記手続を命ずる確定判決による登記
  3. 相続または法人の合併による権利の移転登記
  4. 登記名義人の氏名・住所の変更登記
  5. 仮登記義務者の承諾がある場合の仮登記

※所有権の移転登記(AがBに家を売った場合に、家の登記名義をAからBに移すために行う登記)の場合は、AとBで共同申請で行う必要があります。

登記の申請方法

登記の申請は、オンライン申請もしくは書面を登記所に提出することによって行うことができます。

登記手続きに必要な情報

  1. 申請者の氏名・住所、登記の目的
  2. 土地なら、所在・地番・地目・地積等を記載
  3. 建物なら、所在・家屋番号、床面積等を記載
  4. 権利部の登記の場合は、売買契約書など
  5. 代理人が登記する場合は、委任状など
  6. 登記権利者と登記義務者が共同申請する場合、登記義務者の登記識別情報が必要

※登記識別情報とは、登記名義人が本人かどうかを確認するための12ケタのパスワードです。
※登記識別情報は再発行されないため、その場合は①登記官による事前通知制度、②資格者代理人による本人確認制度により本人確認を行います。

仮登記とは?

仮登記とは、「登記に必要な要件が揃っていないため、本登記はまだできないが、本登記の順位を確保しておきたい」というときに行う登記のことを指します。仮登記によって、本登記の順位を確保することは可能ですが、仮登記に対抗力はありません

仮登記ができる場合

  1. 登記を申請するために必要な情報を、登記所に提供できないとき
  2. 権利の変動はまだ生じていないが、将来生じる予定があり、その請求権を保全しようとするとき

仮登記の申請について

原則として、仮登記権利者と仮登記義務者が共同して申請する。

以下の場合は、例外として仮登記権利者が単独で申請可能です。

  1. 仮登記義務者の承諾がある場合
  2. 仮登記を命ずる裁判所の処分がある場合

仮登記に基づく本登記の申請

仮登記に基づいて本登記が行われた場合、順位は仮登記の順位となります。
所有権に関する仮登記に基づく本登記については、登記上の利害関係人がある場合には、その利害関係人の承諾があるときに限って行うことができます。

仮登記の抹消申請

原則として、仮登記権利者と仮登記義務者が共同して申請する。

以下の場合は、例外です。

  1. 仮登記名義人は単独で申請できる
  2. 仮登記の利害関係人は、仮登記名義人の承諾があれば、単独で申請できる

さいごに

ここまで、宅建で勉強必須の不動産登記について簡単に要点をまとめてきましたが、如何でしょうか。