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【おすすめ】人気の不動産系資格3選〜難易度と合格率は?〜

今回は、不動産業界で働く方や不動産業界への転職を考えている方におすすめの不動産系資格資格を3つご紹介します。

はじめに

世の中には色んな職業や職種がありますが、不動産業界はとても奥深い業界です。不動産業界で働くことの魅力は、何と言っても人々にとって一番高い買い物である「家」や「マンション」、「土地」の取引に携わることができることだと思います。

今回は、不動産業界で働く方や不動産業界への転職を考えている方に、是非取得してもらいたい、おすすめの不動産系資格を3つご紹介します。それぞれの不動産資格の、難易度や合格率についても紹介しています。

おすすめで役立つ不動産資格三選

ここからは、不動産業界で働く方や不動産業界への転職を考えている方におすすめで役に立つ不動産資格を三つ紹介していきます。

おすすめ不動産資格①:宅地建物取引士

宅地建物取引士とは、いわゆる「宅建」といわれている資格試験です。これは、不動産業界で働いている人でなくとも一度は聞いたことある資格だと思います。

宅建士は、不動産取引を行う上で重要な、「重要事項説明」「重要事項説明書(35条書面)への記名・押印」「契約書(37条書面)への記名・押印」といった独占業務を行うことができます。

また、宅建業者には、当該業者の事務所において、宅建業に従事する者5人に1人の割合で宅建士を設置する義務があります(宅建業法31条の3第1項,同法施行規則15条の5の3)。

そのため、宅建業者は宅建士を必要とするため、不動産・不動産管理会社への就職・転職に有利になります。

宅建の近年における受験者数、合格者数、合格率及び合格点

宅建の近年における状況は以下の通りです。

実施年度受験者数(人)合格者数(人)合格率合格点
令和2年(12月試験)35,2584,60913.1%36点
令和2年(10月試験)168,98929,72817.6%38点
令和元年220,79737,48117.0%35点
平成30年213,99333,36015.6%37点

宅建試験の難易度と勉強時間

難易度:6(10段階)

勉強時間:最低100時間 平均250時間~400時間といわれています。

たしかに、合格率が15-17%であることからすると難しい試験であるといえます。

もっとも宅建の受験には受験資格がないため、いわゆる「お試し受験」で受けられる方も多数います。それも合格率が低い要因となっています。

また、他の国家資格や士業の資格と宅建とで合格率・難易度・目安となる勉強時間を総合的に比較すると、取得しやすい国家資格であるといえます。

宅建の試験概要

宅建の科目は「宅建業法(20問)」、「権利関係(民法など)(14問)」、「法令上の制限(8問)」「税・その他(8問)」となっています。

また一定の要件(登録講習)を受講すれば「その他」の科目の5問が免除されるという制度もあります。

試験時間は2時間です。

おすすめ不動産資格②:不動産鑑定士

不動産鑑定士は、土地・建物の鑑定し、適正な金額を算定することができます。通常の不動産取引においてのみならず、金融投資などにおいても活躍しています。また、会社等がファイナンスや不動産投資などを行う場合、会計や財務諸表への監査において、不動産の適正な価額評価は大切になってきます。

不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関する法律に基づき制定された国家資格です。

不動産鑑定士の近年の受験者数、合格者数、合格率及び合格点

不動産鑑定士の近年における状況は下記の通りになります。

実施年度受験者数(人)短答合格者数(人)短答合格点論文合格者数(人)最終合格率(%)
令和2年1,415468133点(66.3%)1359.54
令和元年1,767573140点(70.0%)1216.85
平成30年1,751584138点(68.75%)1176.68
平成29年1,613524135点(67.5%)106名6.57

不動産鑑定士の難易度と勉強時間

難易度:9(10段階)

勉強時間:平均2000時間~4000時間といわれています。

難易度は9と相当難しい試験です。また、勉強時間も数年単位の見込みを立てることになり、根気強く勉強する意思を持つことが大切になってくるでしょう。

不動産鑑定士の試験概要

不動産鑑定士の試験内容は短答式試験と論文式試験に分かれています。

短答式試験

「行政法規(40問)」100点満点
「鑑定理論(40問)」100点満点

試験時間は各科目2時間となっています。

論文式試験

短答式試験に合格すると論文式試験に進めます・

「民法、会計学、経済学(各科目大問2問)」100点満点
「鑑定理論論文(大問4問)」100点満点
「鑑定理論演習(1問)」100点満点

各科目2時間(鑑定理論論文は2時間×2)、3日間で実施されます。

論文式試験合格後は、実務修習を経て、修了考査に受かったものが不動産鑑定士として登録することができます。

不動産鑑定士を目指す受験生へのメッセージ

今回は、筆者の知人である不動産鑑定士に受験者への応援メッセージをいただいたので紹介します。

宅建の次のステップアップとして、不動産鑑定士を目指される方が多いかと思われます。しかしながら、そのステップアップは容易ではないです。また、近年は、AI技術の発達でいわゆる典型的な不動産鑑定のみを行う不動産鑑定士は、立ち行かなくなっていく可能性があります。

今後は、クライアントの問題解決を総合的に行っていくという心持で、不動産鑑定士の資格取得を目指すことで、取得後の実務経験にも生かされると思います。AI技術を駆使して、自らがどう鑑定士として生きていくのかを考えながら勉強をしてみてください。

高齢化によって不動産鑑定士の数が少なくなっていることから、まだ鑑定士のニーズはあるため、自分の知識を深めたり、不動産業界で活躍するために、目指す価値のある資格であると思います。

ぜひ、これから鑑定士を目指す受験生、がんばってください。

不動産鑑定士の勉強法について

勉強法に近道はありません。
短答も論文も短いサイクルで1周することに注力するべきです。

論述式は特にインプットとアウトプットのバランスに気を付けなくてはなりません。特にアウトプットの時間は意識的にとる必要があります。
私は、アウトプットとして過去問を何度も解きました。出題の趣旨や予備校の答案をしっかり分析しました。直前の予備校の予想問題に頼った勉強をするのではなく、過去問を通して、論点抽出能力と事実認定能力を培い、何度も出題されている重要論点を把握し、次の試験で出題された場合にはしっかり書けるようにすることが大切です。

不動産鑑定士の実務修習について

実務修習は、筆記試験(短答試験と論文試験)の合格後に実務修習があります。
実務修習では、鑑定士の指導を受けながら、鑑定評価報告書を作成します。
これを実際に鑑定事務所に所属し実務を行いながら実務修習を行います。
この実務修習では同期との横のつながりが大切になります。
これを見据えて筆記試験の受験勉強時から勉強仲間を作っておくのもよいでしょう。

おすすめ不動産資格③:賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業を営む上で設置が義務付けられている「業務管理者」になることのできる資格です。

令和3年より、国家資格となり、注目を集めています。

賃貸不動産経営管理士の近年の受験者数、合格者数、合格率及び合格点

賃貸不動産経営管理士の近年における状況は下記の通りです。

実施年度受験者数(人)合格者数(人)合格率合格点
令和2年27,3388,14629.8%34点
令和元年23,6058,69836.8%29点(40問中)
平成30年18,4889,37950.7%29点(40問中)
平成29年16,624名8,033名48.3%27点(40問中)

賃貸不動産経営管理士の難易度と勉強時間

難易度:4(10段階)

これまでは、不動産系の資格の中でも比較的易しい試験であるといわれてきました。2017年度の試験は50%近くの受験者が合格しています。

しかし、今年から国家資格となり、受験者数が増える一方、合格者数はあまり変わらないことが予想されるので、合格率としては下がることになります。

賃貸不動産経営管理士講習を事前に受講の上受講すると、本試験の50問のうち5問が免除されます。

また、受講者の合格率は、全体の合格率に比べて高い傾向があるようです。

賃貸不動産経営管理士の試験概要

短答式試験で、問題数は50問あります。
ただし、免除講習修了者は45問です。

おおよそ類型別の問題数としては、以下のようになります(令和2年度試験参考)。

賃貸管理総論 4問
賃貸住宅管理業者登録制度 5問
賃貸不動産経営管理士 2問
管理業務の受託 5問
借主の募集 3問
賃貸借契約 10問
建物管理の実務と賃貸借契約の管理 9問
建物・設備の知識 6問
賃貸業への支援業務 6問

試験時間は2時間です。

さいごに

ここまで、不動産業界で働く方や不動産業界への転職を考えている方におすすめの不動産系資格資格を3つ紹介してきましたが、いかがでしたか?

この記事が少しでも皆さんの役に立っている幸いです。